When We Were Young
5才から13才まで歌を教えた女の子がこのたび外国で勉強することになり、最後のレッスンを今週終えた。
彼女は歌が大好きで、それは私が子どもの頃と同じ。
なんだけど、彼女が歌いたいと選ぶ曲は、Adele, Alicia Keys, Lady Gaga, Taylor Swift, Rihanna, ...などなど、英語のポップスだった。おかげで、わたしは知らなかったジャンルの曲を沢山覚えた。
そして、それらの曲にぴったりの、低くて味のある、少しハスキーな声。英語環境で育った彼女の発音はnativeのもので、その情熱をちゃんと歌に乗せて表現する。5才の頃はまさに「荒削り」で、その大きな「歌う魂」を内包した小さな身体から、強すぎる情熱がほとばしって喉が破れそうと思うこともあった。子どもの竜か、寅みたい。とても面白い素材だった。
まず息、喉、身体の使い方。どんな声が良い声なのか。どんな歌が上手い歌なのか。私の正しいと思っていることは変わらないので、同じ事を繰り返し、繰り返し伝えることになるんだけど。Nちゃんはちゃんと私の言うことをいっしょうけんめいきいて、トライしてくれた。
ときには私の好きな歌(カーペンターズとか)、ママやパパのリクエストしてくれた歌も入れたり、ギターやピアニカ、ウクレレで弾き語りみたいなことしてた時期も、友達と一緒にタレントショーで歌うから、と、友達を連れて来てた日もあった。
初めて会ったときは、ちいさくて、ぺらっとしたノースリーブのワンピースを着てて、お母さんの後ろにかくれながらこっちをみて小さな声で「こんにちは」と言ったなぁ。
いつも夏には長い休みをとるから、秋に会うたびに少しずつ、背が伸びていった。身体がしっかりするにつれて声のコントロールも効くようになり、より賢く歌い方を研究するようにもなり、情熱に技術が追いついていった。
レッスンで最後に練習したのはAdeleのWhen We Were Young。
録音して本人と一緒に聴いてみた。とても良い。Nちゃんはどう?と本人に聞いてみると、シャイな感じの表情で「うん・・・自分で言うのはあれだけど、良い。」と言って、満足そうに笑った。
またシェアするね、と言って私がそのデータを持っているが、昨日仕事の合間の移動中、ちょっと時間があったので、コーヒーを買って、座って飲みながら、聴いてみた。
Let me photograph you in this light
In case it is the last time
That we might be exactly like we were
Before we realized・・・
(この光の中で写真をとらせて、こんな風にいられるのは、これで最後になるかもしれないから・・・)
のところで、油断してると泣きそうになった。
あいかわらず、すごいパワー。このスピリット変わってない。これは私が育てたものじゃなくて、もともと彼女が持っていたもの。ああそうか、こんなに全開で歌っていいんや。
で、なんか勇気が湧いてきた。私もNちゃんから教えてもらったことは多いなあ。
↓これは本家ですが、私にとってはこのくらいか、これ以上に良いレコーディングでした。私もどこかで歌ってみようっと。