犯罪理論の整理3(非行理論の三分類)緊張理論:ハーシ:strain theoryほか
@緊張理論(strain theory)
・動機付けを考える理論:正当な欲求であっても遵法的な同調によっては充足できない場合に,逸脱する。階層が低く緊張が高いと,逸脱する。
★動機づけに焦点をあてた理論
※批判1:中流階層の非行が説明できない
※批判2:金銭と地位以外の生活目標を無視している
※批判3:階層以外に障害となる要因を想定していないこと
※批判4:緊張を持ちながら非行に走らない者を説明できないこと
@統制理論(control theory)
・逸脱や犯罪への可能性は誰でも持っている。
・社会化が適切になされたかどうか,だけが問題。
★動機づけに焦点をあてない理論。
★罰をおそれるように育ったか?身近な人を傷つけないようにという考えを持つように育ったか?など,罪悪感の内在化ができるようになったか(社会化したか)に焦点をあてた理論。
@分化的逸脱理論(cultural deviance theory)
・犯罪は学習される。
→つまり・・・
大学生にあてはめて考えてみると
@緊張理論:「大学生」の階層は同等とみなしてよいと考えられる。
@統制理論:「大学生」の社会化の度合いは異なるか?→躾や学校の規則に従う規範意識などは,同等とみなしてよいと考えられる。
@分化的逸脱理論
「大学生」の学習の機会は・・・同等?学校や個人の生活態度によって異なるとも考えられるか?・・・>これにかぎっては議論の余地があるかもしれない。ホワイトカラー犯罪などがここに当てはまるのでは?とすれば,大学生に特有の犯罪(クラブ活動内で起きる集団性犯罪とか?)が存在すると考えられる。
三分類は,いずれも社会の状態と個人の関係をみるもの。「個体要因からの犯罪・非行」ではなく,犯罪者も非犯罪者も同じ性質を持つ者である(同質)という考えに基づく。