洗濯塾の毛玉取り:夢編
「洗濯塾の毛玉取り」についてもう一つ書いておきたい。
早速、以前から毛玉が気になっていた、フードの大きい黒コートの手入れをした。ひろげたコートを一部分ずつ、ブラシでしゃ、しゃ、しゃ、と撫でる。位置を変えながら、何も考えずに、その動作を延々とくりかえす。このような単純作業は脳のどこかがものすごく気持ちいい。
何分かかったか分からないが「今日はこのへんで」という気分になって毛玉取りを終える。満足してソファで本を読む。すぐにうたたねをする。
夢をみる。私は母に「毛玉とってあげる」という。母は群青と灰色の混ざった桃色の手編みセーターを着ている。その背中にしゃ、しゃ、しゃとブラシをかける。場面はさっきまでと同じこの部屋。ストーブの蒼い炎と湯気がゆれている。母の表情は分からないが、楽しい雰囲気だった。
「洗濯塾の毛玉取り」は、本来、人が着ている服の毛玉をとるものではない。何や、その使い方。と目が覚めてから思う。