ABCのA
今日は夜に大阪・中之島でTEACCHの講演会。
TEACCH創始者のショプラー先生が現役の頃に弟子としてがっつり学んだ貴重な人材というジョイス・ラム博士が来ていた。
行くまで知らなかったのだが今日は「TEACCH」についての中でも特に「ASDを持つ大学生へのサポート」というテーマの講演だった。
まずTEACCHでは「ASDの特徴を知る」ということと「個別のニーズに対応する」をとりわけ大事にするということで、それらについて詳しく話された。
どちらもかなり話題にのぼりやすいことではあるが、今日話された情報はいつになくクリアに頭に入ってきた。
これはラム先生が「ASD傾向が強い場合、暗黙的学習に弱い」という特徴を非常に重要視されており、実際に当事者に対して「ASDの特徴とは」を「具体的に明示する」ということを、既にかなりしてきたからなんじゃないか。TEACCHでやってるのは絵カードとバスケットみたいな視覚化だけじゃない、といわれる意味が分かった。
障害告知のタイミング、本人が認めたがらない場合の対応などについても、いずれもクリアな解答が述べられ、理由説明も分かりやすかった。もう少し質問への回答を聞いていたかったが時間切れで終了した。
TEACCHは商標登録のcマークがついてたり、日本でなされる公式ワークショップが5日間と長いうえに価格非公開、選抜基準もよくわからない(理由の説明なく受講を断られた知人がいる)など、私は、少し謎めいたところもあるのかな?という印象を持っていた。
しかし、そういったクローズドな部分があるにせよないにせよ、TEACCHには個別の丁寧なニーズ探りと、それにもとづくABCのA(先行事象,環境)を変えるアイデアが満載なんやな。ということがよく分かった。
応用行動分析を実践していればもちろんA,C(結果、後続事象)のどちらも考えるけど、理論では、Cについてのことが主に語られている。
なので、A重視型のTEACCHが蓄積してきたノウハウは、いっかいどっぷり話を聞いて引き出しに入っていれば、役立つことが多いだろうと感じた。ああ、充実したツールボックスここにもあるんだ。という感じ。
さて、帰り道、新福島駅前に「牛カツ」って書いてあるお店に強く惹かれた。
しかし、まだ仕事が残っていたので何も食べずに電車で帰ってきた。ふらふらになりつつ我らのご近所巨大冷蔵庫コープ山手に立ち寄り、半額になった「ばってら」を買って帰り、仕事をしながら、もずくスープとともに食べた。
また新福島駅に行くことはあるのだろうか。今世において、あの赤い牛カツを食することは、果たしてあるのだろうか。
中之島は、河と橋がきれかった。
また行くこともあるかもしれないよ。